お疲れ様です。呪怨のCMが流れるたびに猫に愚痴るayanonです。
いやもう、怖い話、ゾンビ、幽霊、殺人系、ぜんぶ怖い。
この間有給を頂いて友だちとミッドサマーを見たんですが、それも2日位引き摺り眠れない夜を過ごしました。。
さて、そんな夏の風物詩「幽霊」について、元中世ヨーロッパ史専攻の視点からお話ししましょう。
いまや世界各国に現れ私の様なビビりを寝れない夜にぶち込む幽霊ですが、
キリスト教世界において、元々「幽霊」というものはいませんでした。
これは考えてみると非常にシンプルなのですが、キリスト教の教えでは人は死んだら最期の審判を経て天国か地獄に振り分けられますよね。
天国か、
地獄。
二択。以上。
(画像は楽しそうな地獄アトラクションの図/ピーテル・ブリューゲル)
そう、キリスト教からしてみれば幽霊が出てこられちゃ困るんです。
いやお前天国か地獄に行けよと。なんでさまよってんじゃと。
なので元々キリスト教の概念の中には幽霊はいませんでした。
でも現代社会を見回せば、映画の中で容赦なく敬虔なキリスト教徒も幽霊に襲われますし、ホラービデオは世界各国で撮られています。
そう、元々は幽霊がいなかったキリスト教でも、15世紀ごろ(確か)から修道士やお偉い人の手記の中に幽霊が良く出るようになりました。
その頃キリスト教に何があったかというと、天国と地獄の二択から、「煉獄」という新しい概念が追加されています。
煉獄とは、いわゆる執行猶予期間。地獄にな~行くほどでもないんだけどな~でも天国まではちょーっと届かないよね~、という、いわばグレーゾーン。
この煉獄に振り分けられてしまった人たちはどうするかというと、今からでも天国に行けるように徳を積まなければいけません。
具体的に言うと
現世に化けて出て、自分にゆかりのある人(や修道士)に対して、このままだと天国に行けないから修道院に寄付してほしいな、何か自分の代わりに良い事して欲しいな、と頼みます。
はい出ました。これが中世ヨーロッパ史における幽霊誕生の瞬間です!
なので15世紀に出てくる幽霊はほとんど寄進を強請っています。これによって懐が潤ったのはクリュニー修道院(確か)(違ったら申し訳ない)。
ガンガン寄進が入ったり、いわば免罪符のような、死者祈祷に関わるものが売れるようになりました。(確か)(これも曖昧で申し訳ない)
すごいね!!商売上手!!!!
…と、キリスト教における幽霊について、金儲けの道具だ!とかなんとかそんな乱暴な事は言いませんけど、まぁ、うっすらと察して頂ければ幸いです。
(ちなみにざっくりキリスト教と言ってしまいましたが煉獄を認めていない宗派もあります)
幽霊騒ぎの裏に商売あり。ね、そう考えると怖くないですよね。
ちなみに日本の幽霊はもっと「おとぎ話」、いわゆる娯楽として古くより楽しまれてきました。
グリム童話やアンデルセン童話と同じように、幽霊が身近だったんですね。
なので、東京ディズニーランドにあるホーンテッドマンションはファンタジーランドに設置されたそうです。
(一番最初にできたアナハイムのディズニーランドではファンタジーランドではなくニューオリンズ・スクエア。あちらではおとぎ話ではなく、幽霊の話はもっと現実的でした。)
以上、以前マンションに住んでいる時同じ階のおばあさんから「表情のない人たちが何人も家に上がり込んで私の事をずっと見下ろしてくるの、お願いだから警察を呼んでください」と逃げ込まれたことのあるayanonでした!
警察を呼び一緒に家に行って貰ったものの、当たり前ですがそんな「表情のない人たち」はおらず、何だろうねと首を傾げていました。
そしたら後日ご主人がいらして、「妻がお世話になりました、実は重度の認知症で今週から施設へ…」と。
所詮見えている映像は脳が処理している映像データなので、脳がバグったら幻覚も見るときは見る。腹くくろう。
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