トヨタと言うと、「トヨタ生産方式」、「ジャスト・イン・タイム」といった言葉から、「いかに効率的にものをつくりか」といったシステム重視の印象があるようです。しかし、それは一面を切り取ったものにすぎません。
効率的にものつくり、生産性を最大限に高めるには、自分で考え、自律的に動ける社員を育てることが不可欠だという考え方が浸透しています。
トヨタの強さは、一人ひとりを「考える人材」へと育てるノウハウにある。
「人材が育てば、現場が強くなり、必ず会社の業績も向上する。モノをつくり、サービスを提供するのは人なのだから、まずは人づくりが第一だ」
・カリスマはいらない。現場の社員がリーダーになれ。
トヨタでは、一時の結果だけで判断するのではなく、長期的に社員の能力を育てていく。
・自分の分身をつくれ
「人を育てる」文化を継承する。トヨタでは仕事の成果も求められますが、同時に「自分の分身を何人育てられたか」も評価のモノサシになっていました。
真のリーダーとは部下を伸ばす人。トヨタで真のリーダーとして評価されるのは、部下を伸ばすことができる人です。
・設備を新しくするより人をつくるほうが早い
成果は機械ではなく人がつくる。「人をつくれば数字もおのずとついてくる」
上司が本気で動けば部下もついてくる。上司が自ら率先垂範して本気になって職場を良くしようとすれば、必ず部下もそれを見習ってついてきます。
部下が育つかどうかは、上司が本気になって取り組むかどうかで決まるのです。
・「よい品、よい考」が育て方の基本
「よい品」は利益をつくり、「よい考」は人をつくる一人ひとりが意識して考えないと、会社の利益は生まれない。トヨタでは、人を育てるうえで、考えること、そして考えさせることを重要視する。
・「3行提案制度」で部下に考えさせる。
問題、改善策、効果という3つの項目について一行ずつ書かせる。
手軽なので、提案も多く上がる。また、提案する部下、提案を受ける上司も頭を使って、どうすればよくなるのか?をさらに考えるようになりました。部下にすぐ答えを教えるのではなく考えさせる。
・人を責めるな。しくみを責めろ
不良が出るのは上司のやらせ方が悪い。俺が部下にやらせるべきことを徹底できていなかったから不良が出たと考えること。
・人を育てることは、「モノの見方を伝える」こと
これがいいことを現場で教える。これがいい、これが大切を現場できっちり教えることが、部下の成長につながる。重視するのは結果ではなくプロセス。
・できる人をえこひいきしない。
機会は平等に与え、評価で差をつける。上司は、常にアンテナを張っておいて、部下の良いところ、得意なモノを探す。そしてそれが活かされる場を探してあげることも大事な仕事です。
・評価基準は、成果プラス人望
人望も重視されるトヨタの人事考課
・原因を探すな。真因を探せ。
なぜなぜ5回を繰り返す。上司はなぜ問題が起きたのか?を部下に問いかける習慣をつけることです。成長を促す事。
・部下を困らせなさい
人間の知恵には限界がない。知恵を出す環境をつくり出すために困らせる。
アドバイスを与えるタイミングも重要。部下が本気で悩んでいたり、なんらかの気づきを得たタイミングで声をかけることが大事。最初からこうしなさいと答えを与えずに、大いに悩ますこと。悩む力を鍛える。どうやって部下を悩ますかを考えるのが上司の役割。
・答えを教えるな。目的を教えろ。
言われたとおりにやるな。文句を言ってこい。指示待ちの部下になってしますのは、上司にも責任の一端があります。自分の意見がこうだ。と言える人になってほしい。
答えを与えてはいけない。部下から相談されたときは、すぐに答えを与えず、目的をはっきりさせることが重要だといいます。
決められたことを守る。のではなく、自分で決めたことを守るようにさせると、人はついてくる。教えないという教え方もある。トヨタでは正解を教えるだけではありません。決められた正解以外のことを部下に考えさせる文化があるからこそ、応用の効く社員が育つのです。ただし、部下に考えさえることだけでは、上司はそれに対して自分なりの答えをもっていなければいけません。
・面倒な部下から育てなさい。
ひとくせある人を育てれば百人力。トヨタには、実力があるのに埋もれている人を引っ張り上げる上司がいた。とトレーナーたちは一様にいいます。上司にかみついてくるような人は、良い悪いは別にして信念をもっています。認めるからはじまる。不平不満を聞くことが第一だ。ひとくせある部下にも機会を与えることが大切だ。上司に意見を言ってくるような人は、ある意味SOSを出しているともいえます。こいつは、こういう性格だからと決めつけずに、不平不満を聞いてあげる。
・立場と権力では育たない。理解・納得させろ
改善は現状を否定するところからはじめる。相手が納得するまで続ける。
・動くのではなく、働きなさい。
付加価値の源泉は何かを教えてあげる。トヨタでは、動いているけど、働いていないという言い方をすることがあります。つまり、体は動いて忙しそうに見えるが、価値を生むような生産的な動きになっていなければ、働いているとはいえないという意味です。
あなたの一番の仕事はなんですか?何をやると付加価値が生まれますか?
・縦だけは半人前。横のつながりができて一人前
・どうありたいかがあって、はじめて褒められる。
単に褒めても効果はない。長所を認めるから短所を正すことができる。
・ナンバーワンを外に出しなさい。
一番手を外に出さないと、いつまでも次が育たない。
二番手以降を育てることで、一番手も育つ。
・リーダーは中心にいてはいけない。外からメンバーを見なさい。
人の気持ちまでわからなければ現場はわからない。真ん中にいると部下の面倒を見きれない。リーダーは、外にいてメンバー全体を見なければいけない。重要なのはチームメンバーを外から見渡すことだ。求心力リーダーではなく、遠心力リーダーになりなさい。それぞれの部下の長所を引き出し、最大限に能力を発揮できるようサポートする。
・日本企業の強さは、自律的に問題解決ができる人材を育成し続けること。
・研究と創造に心を致し、常に時流に先んずべし。
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